ダイニング空間を形づくる、さりげない空間仕切り

パリ西部の緑豊かな郊外リュエイユ=マルメゾンにあるHôtel des Artsは、光、リズム、ディテールが主役となる、落ち着きのある丁寧に整えられたインテリアが魅力です。ホテルの朝食・ダイニングエリアにおいて課題は繊細でありながら明確でした。入口とダイニング空間の間に確かな区切りを設けつつ、開放感や自然光、そして空間の温かい雰囲気を損なわないこと。

プロジェクト詳細

プロジェクト:キッチン用空間仕切り
所在地:フランス、リュエイユ=マルメゾン
クライアント:Hôtel des Arts
インテリア:Arion Bonerandi

解決策として採用されたのがFacetです。ここでは洗練されたキッチン用空間仕切りとして、空間をやわらかく区切りながら全体の雰囲気を高めています。ダイニングエリアとキッチンに隣接するゾーンの間に配置された自立式の仕切りは、視覚的な「間」を生み出します。ゲストは人の動きや慌ただしさから守られつつも、その先の空間とのつながりが完全に断たれることはありません。

この空間仕切りの特長は、彫刻的な存在感にあります。個々に回転できるファセットで構成された表面は、光や視点に反応し、一日の中でさりげなく表情を変えます。角度によってはほとんど閉じて見え、親密さと静けさをもたらし、別の角度では開いて、光や色、動きの気配を垣間見せます。その結果、空間は「分断」ではなく「層」を感じさせる体験へと昇華されます。

ホスピタリティ空間である本プロジェクトでは、白いFacetの仕切りが、柔らかな木のトーン、グラフィックな壁面要素、控えめな家具といったインテリアのパレットに自然に溶け込みながら、質感と奥行きを加えています。背景として控えるのではなく、静かで触感的、そして緻密に考え抜かれた建築的要素として存在感を放ちます。

インテリア建築家Arion Bonerandiが手がけたHôtel des Artsの内装は、機能性とエレガンスのバランスを丁寧に追求しています。Facetはキッチンとダイニングの関係性を再定義することで、そのビジョンを支え、実用上の要件をデザインの瞬間へと変換しました。本プロジェクトは、空間仕切りが単に隔てる以上の役割を果たせることを示しています。動線を導き、移行をやわらげ、日常のひとときを引き上げる——朝食を、光と静けさ、そして意図によって形づくられた体験へと変えていきます。

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